2024/10/24
1/n#若手にオススメしたいビジネス書“以外”の夏休みのオススメ小説編の第六弾は、、
「漂流」吉村昭https://t.co/8gHLnr90ph
私が人生で最も勇気付けられた小説です。
— 川邊健太郎 (@dennotai) July 18, 2023
間違いなく今年読んだ本の中でナンバーワンになるであろう、読み応え、感動、物語としての魅力、であった。
上記、LINEヤフー川邉社長のポストを見て興味を持ち、読みたいリストに入れておきながらなかなか読めなかったが、
時間ができたタイミングで一気に読み、時間を忘れるほど熱中して読み終わった。
読み終わった後は、なんて今は幸せな状況なんだ、とも思った。主人公の野村長平は、アホウドリしかいない無人島に流される。
その中で、なんとか工夫を凝らして生き延びていくのだが、その主人公になりきって読んでいた。
貝、海藻、鶏肉からしか生き延びるのに必要な栄養素を摂取できなく、水は雨水のみ、服は鳥の羽から作るしかない、そんな過酷状況が、10年以上続き、一緒にたどりついた唯一の希望である仲間も、どんどん亡くなっていく。
究極の孤独。ヴィクトールフランクルの「夜と霧」とはまた違った、ハードシングス。
最後の結末は、是非とも自分の目で確かめてほしい。
本当に、同じ人間の成せる業なのか?と思った。人間は本気出せば、無人島で生き抜くことができるんだ。
それに引き換え、今この現代の技術に囲まれた、状況は完璧だ。生き延びていくという視点において、悪いところが一つもない。
水もあり、家もあり、人間も近くにいる。鶏肉以外も食べることができる。病気になれば、病院にも行ける。
食べすぎちゃって、ダイエットなんかしちゃってる。人が周りに良すぎて、一人になりたくなったりなんかしてる。評判なんかも気にしてる。
無人島で、主人公の野村長平が念仏を唱えながら死ぬほど懇願したものが、当たり前のように、周りにある。
結局、あるものに感謝できるかどうか、なんだと。
これを機に、作者・吉村昭にも興味を持った。冒頭から熱中させるほどの、相性のいい文章だ。(私は、文章には相性があると思っている。相性がいいと、熱中するが、相性が悪いと、集中できない時がある)
他の作品も読んでみたい。