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読んだ本の中からピックアップその23「漂流」

time 2023/11/22

読んだ本の中からピックアップその23「漂流」

 

間違いなく今年読んだ本の中でナンバーワンになるであろう、読み応え、感動、物語としての魅力、であった。

上記、LINEヤフー川邉社長のポストを見て興味を持ち、読みたいリストに入れておきながらなかなか読めなかったが、

時間ができたタイミングで一気に読み、時間を忘れるほど熱中して読み終わった。

 

読み終わった後は、なんて今は幸せな状況なんだ、とも思った。主人公の野村長平は、アホウドリしかいない無人島に流される。

その中で、なんとか工夫を凝らして生き延びていくのだが、その主人公になりきって読んでいた。

貝、海藻、鶏肉からしか生き延びるのに必要な栄養素を摂取できなく、水は雨水のみ、服は鳥の羽から作るしかない、そんな過酷状況が、10年以上続き、一緒にたどりついた唯一の希望である仲間も、どんどん亡くなっていく。

究極の孤独。ヴィクトールフランクルの「夜と霧」とはまた違った、ハードシングス。

最後の結末は、是非とも自分の目で確かめてほしい。

 

本当に、同じ人間の成せる業なのか?と思った。人間は本気出せば、無人島で生き抜くことができるんだ。

それに引き換え、今この現代の技術に囲まれた、状況は完璧だ。生き延びていくという視点において、悪いところが一つもない。

水もあり、家もあり、人間も近くにいる。鶏肉以外も食べることができる。病気になれば、病院にも行ける。

食べすぎちゃって、ダイエットなんかしちゃってる。人が周りに良すぎて、一人になりたくなったりなんかしてる。評判なんかも気にしてる。

無人島で、主人公の野村長平が念仏を唱えながら死ぬほど懇願したものが、当たり前のように、周りにある。

 

結局、あるものに感謝できるかどうか、なんだと。

 

これを機に、作者・吉村昭にも興味を持った。冒頭から熱中させるほどの、相性のいい文章だ。(私は、文章には相性があると思っている。相性がいいと、熱中するが、相性が悪いと、集中できない時がある)

他の作品も読んでみたい。

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荒井浩介

荒井浩介

株式会社ARIAという会社を2014年に立ち上げました。勉強カフェを大阪と兵庫でやってます(西梅田、本町、寺田町、江坂、難波、神戸三宮、西宮北口)。中小企業診断士令和2年合格。記録をアップしていきます。 ただいま様々な「100のアウトプット」に挑戦中。 [詳細]

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