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読んだ本の中からピックアップその25「繁栄」

time 2024/01/22

読んだ本の中からピックアップその25「繁栄」

「これだから読書はやめることはできない」と思わせてくれた本であった。

 

なぜ、そのようなことを思うか?

それは、自分の思考の範疇では、絶対に辿り着けない発想や見解、知識を、わずか数百円のコストで、教えてくれるからだ。

その意味で、この「繁栄」に記述されている事柄は、自分にとって凄まじい叡智であると思われた。

 

実際に、読んでもらえればそれがわかると思うが、まず、それほどまでに分業というものが資本主義の最大の発展の理由の一つになっているものだという発想に至ることはなかった。

人類というのは共生によって、ここまで進化してきた。その際たるものが、分業という名のチームワーク・助け合いであるのだと。ハンドハックスからの進化がひたすらなかったこともまた、興味深い。

感謝すら生まれた。

今のこの世界が、分業によっていかに幸せで豊かな状況を作り出しているのか、と。産業の発達によって一方で、汚染された空気や破壊された大気などの、サステナブルな視点は、おいておいての話にはなるが。

どれだけ人間に近い動物のチンパンジーでさせ、物々交換の発想には至らない。

 

つまり、繁栄の基礎は、協力体制であると心得た。私の中では、そう捉えることになった。この本からは。

でも、事実そうなのではないか。

 

戦国時代から江戸時代にかけて活躍した剣豪、剣術家でもありながら、徳川政権の元で大名にまで上り詰めた武将・柳生宗矩の有名な言葉があります。

 

小才は、縁に出合って縁に気づかず、

中才は、縁に気づいて縁を生かさず、

大才は、袖すり合った縁をも生かす。

 

縁とはつまり、周りにあるすべての生物、資源、機会であるとするならば、それらをどれだけ活かせるかである。

繁栄の原理に照らし合わせれば、この言葉通りなのである。

人類は、交換を覚え、協力を行った。それによって分業が可能になり、飛躍的に生産性が向上し、余暇さえも生まれるようになった。

つまりは人類という大きな単位でも、企業という小さな単位だとしても、チームワークが重要で、一人では繁栄しない。

以下、本書から残しておきたい部分を抜粋。

 

 

 

「以前より豊かで、健康で、背が高く、賢く、長生きで、自由な人々(つまりみなさん)は実に潤沢な時代に生きているので、必要とするものはほとんどどれも値段は下がる一方だ。人間の最も基本的な4つのニーズ(衣食住と燃料)の値段は、過去二世紀の間に安くなった。特に食料と医療は際立っている。燃料価格の推移はそれより不規則だし、住宅の価格変動はそれほど目立たないが、おそらく安くなっている。意外かもしれないが、今日の平均的な家族用住宅の価格は1900年より、いや、1700年と比べてさえ、わずかながら低いだろう。電気屋でんわ、配管など便利な近代的設備がはるかに多くあるにもかかわらず、低いのだ。基本的なニーズが安価になれば、可処分所得のより多くを贅沢品に使える。人工証明は必需品と贅沢品の境界に位置する。金銭的に言えば、同じ量の人工証明をするのに、1300年のイングランドでは今日の2万倍の費用がかかった。

・・・このような照明効率の向上が何を意味するか考えて欲しい。私たちよりずっと多くの光を得たり、働く時間を大幅に減らしたり、何か別のものを手に入れたりできる。照明の代価を稼ぐために働く時間を減らせれば、他のことにその時間を充てられる。その間、他の人が仕事にありつけるかもしれない。照明テクノロジーの進歩位によって、浮いたお金や時間で、私たちは他の製品やサービスを生み出したり購入したりできるし、慈善活動を行うこともできる。これこそが経済成長の意味するところだ。

 

あなたが鹿だったとしよう。1日にすることは基本的に4つしかない。眠り、食べ、食べられるのを避け、鹿付き合い(縄張りに臭跡を残す、異性の仲間をおう、子鹿を育てる・・・)をする。それ以外のことをする必要はあまりない。では、人間はどうだろう。基本的なものだけ数えても、4つどころではない。眠り、食べ、料理をし、衣服を身につけ、家事をし、出かけ、入浴し、買い物をし、働き・・・と挙げていくと、キリがないのも同然だ。したがって、鹿には人間より多くの自由時間があるはずだが、ものを読んだり書いたり、発明したり、歌を歌ったり、ネットサーフィンをしたりする時間を見つけられるのは鹿ではなく人間だ。このような自由時間はみなどこから来るのか?それは交換と専門化からそして、その結果である分業から得られるのだ。鹿は自分の食べ物は自分で集めなければならないが、人間は他人にやってもらい、その間、他人のために何かできる。そしてそうすることによって、双方が時間を獲得できる。したがって、自給自足は繁栄につながらない。

 

繁栄の典型的な特徴は、分業の拡大であり、貧窮の典型的な特徴は自給自足への回帰だ。

 

1950年以降、平和(ほとんどの人にとって)、繁栄(多くの人にとって)、余暇(若者にとって)、進歩(加速する技術革新という形で)の黄金期が始まった。さて、悲観主義者はいなくなっただろうか?誰もが陽気になったか?もちろんそんなことはない。・・・人類史上どの世代よりも平和、自由、余暇、教育、医療、旅行、映画、携帯電話、マッサージを享受してきた現代人は、あらゆる機会をとらえて、憂鬱な気分に浸る。

 

プロフィール

荒井浩介

荒井浩介

株式会社ARIAという会社を2014年に立ち上げました。勉強カフェを大阪と兵庫でやってます(西梅田、本町、寺田町、江坂、難波、神戸三宮、西宮北口)。中小企業診断士令和2年合格。記録をアップしていきます。 ただいま様々な「100のアウトプット」に挑戦中。 [詳細]

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