2024/10/24
ユーザーとして使用している「フリーウェイ」の創業者・井上達也氏が書いたということで、興味を持って購入。
この中にも書いてある、理論で実践したことのない経営コンサルタントの言葉よりも、実際の現場で痛みを味わいながら取得していった知識や経験だけに価値がある、と自社10期目を迎えて、確かにそう思う。
横文字だらけの、いかにも高尚そうに見える理論よりも、例えば以下の言葉の具体的かつシンプルなことが、まずは大前提なのだと。
ライバル会社と同じことを同じようにやっていも勝つことはできません。では勝つにはどうしたらいいのか。それは長く働くことと早くやることです。(中略)起業時、私は1年間1日も休まず16時間働いてきました。会社兼自宅マンションで午前9時に起き、午前3時に寝ていました。昼間は営業、夜中は原付バイクでポスティングです。土日祭日はもちろん正月も働きました。当時正月の三が日が好きでした。誰も働いてない時に私は働いている。みんながうっかりしているうちに私は前に出られるんだという高揚感さえありました。なぜこんな働いたのかというと怖かったからです。お金がなくなり会社が倒産するのが怖かったからです。(中略)1日16時間、1日も休まずに5年ばかり働いてみてください。
量か質か、というので自社の創業当初、ある人と意見が分かれたことがあった。
自分は、まずは量だと感じていた。質をいきなり追求するより、とにかく試行回数を重ねることだと。質を求めるからこそ、最初は量だと。
部活もそうだった。球をとにかく打ちまくる。すると、だんだん色々わかってくる。
それは、万人に当てはまらないかもしれないが、少なくとも自分はそうだった。
起業を考えたら読む本、というタイトルがついているが、上記の休まず16時間について、「やってやるよ」と思うか「やだな」と思うかで、結構シンプルに判断できると思う。「起業するタイプ」なのか「起業しないタイプ」なのかどうかが。
そういえば、自分も横浜に住んでいる10年前の正月三ヶ日は、負けたくないからひたすら大量に本を読み込むというのをやっていたな。クソ狭いマンションで。親不孝ですよ。帰らずに。
でも、そんくらいバランスが狂ってる部分が必要悪だとも、時を経て思うわけです。
あるマーケティングの本にこんなことが書いてありました。「さまざまなパターンのチラシ広告を出して調査し、広告費を利益が上回ったチラシだけを集中的にばら撒くのだ」
正直言って、これはちゃんちゃらおかしい話です。私は短期的に利益を上回る広告なんていうものは、世の中に存在しないと思っています。会社を設立し25年、広告費を上回る利益を上げたチラシなんて一つもありません。チラシがきっかけとなり紆余曲折し売れたとか、チラシを見続けて数年後にやっと問い合わせが来たなんてものはあります。つまり広告については短期的に効果がわからないというのがホントのところです。
この言葉の言わんとすることも、今になってじんわりわかる。
ボディブローのように効いてくるってことがある。浸透してくる。これも理論じゃなく経験だろう。そういうのを現場で目の当たりにしていないと、数字だけでは判断つかない。計測は重要だけど、それ以上の経験がある。