2024/10/24
私もよく利用させてもらう、カレーCoCo壱番屋の創業者、宗次さんの最新書籍を読みました。
以下抜粋部分です。
街の喫茶店というと、マスターが常連客と親しげに会話をしているイメージを持っている方もおられるだろうしかし、バッカスを始めた当初から私はあえてそれをしなかった今日初めてお目見えになったお客様に配慮したいと思ったからである話しかけられてもせいぜい2往復の会話をするぐらいで、それ以上は話さないようにしたもちろん常に感謝の笑顔は欠かさなかったから無愛想であった訳では全くないココイチを始めてからはそれを徹底して「お客様の名前は覚えなくていい」とスタッフには言っていた常連のお客様はスタッフから名前を呼ばれれば嬉しいと思うだが私は、店長を始めスタッフの人気でお客様にきていただくような店にはしたくなかったのだそれより分け隔てのないサービスでどなたにも満足いただくような店にはしたかったし、常連のお客様と同じかそれ以上に今日初めてのお客様を大事にしたいと思ったのである
接客についての考え方は2通りある。
一つは、話しかけて関係構築して、親しみを持ってもらうこと。
もう一つは、あえて関係を作らず笑顔に徹し新規の方が入りやすいようにしておくこと。
それぞれは店舗の目指す方向なので、どちらが正解という類のものではない。
ただし、私はここまでココイチがコンセプトをしっかり作っているんだ、ということに驚いたのである。
スタッフに、名前を覚えるな、という指示が出ているほどだったとは。
確かに、ココイチはどの店舗も入りやすく、だらしなさがあまりない。
掃除も全体的に行き届いている。
だらしなさがない、と感じるのは店員さんとお客さんがダラダラ喋っている場面がないからだろう。
これは、コミュニティを作る上で、勉強カフェとしても気をつけないといけないな、と。
コミュニティは大きなコンセプトにもなり得るが、コントロールを失うとたちまち秩序のない、
相乗効果どころか、マイナスの効果になってしまう生物のようなものだ。
ケアが必要である。
これをコミュニティリスクと最近呼んでいる。
会話が生まれて、関係ができ、踏み込んだ関係が出来上がる。
しかし一方で、常に空間は公共物である。
利用者全てのものであり、個人のものではない。
この辺のバランスを維持するには2つある。
1つは法を制定し、他者に迷惑をかけるなどのラインを超えた人については、注意喚起を行い、改善なき場合は去っていただかざるを得ない。
もう一つは、民度をあげ、利用者同士のマナーレベルの向上により、法による制圧ではなく、人間の感覚として維持される雰囲気を生み出す。
2つ目が、目指すべき形であるが、国を見れば分かる通り、人は簡単に従うものではない。
マナー、モラルは個人差が激しい。
国を形成する要素に違いものが、コミュニティにはある。
国だと大きすぎるから、村かもしれない。
できる限り、平和に、皆が快適に過ごす空間を目指す時、その場にいる全ての人に社会感覚が必要となる。
その一つの示しとして、果たして利用者とどこまでコミュニケートし、関係を作っていくか、は定める項目であろう。